「犬を飼いたい!」
「猫と一緒に暮らしたい!」
子どもからそんなお願いをされたことがある家庭も多いのではないでしょうか。
そして、こんな約束がセットになっていることも。
「ちゃんと自分でお世話するから!」
ごはんもあげる。
犬なら毎日散歩にも行く。
トイレだってちゃんときれいにする。
「絶対やるから、お願い!」
そこまで言うなら……と家族で相談して、犬や猫を迎えることになった。
ところが数か月後。
「今日の散歩は?」
「あとで行くー」
「トイレきれいにした?」
「今ゲームしてるから無理ー」
……そして気がつけば、
毎日ごはんを用意して、トイレをきれいにして、散歩へ行っているのはママ。
さらに数年後。
なぜかその子が家の中で一番懐いているのも、
ママ。
「あなたが飼いたいって言ったんじゃなかったっけ!?🤣」
なんてこともあるかもしれません。
でも、犬や猫との暮らしは何年、十数年と続きます。
その間には、子どもの成長だけでなく、仕事や学校、家族の生活そのものも変わっていきます。
だからこそ、
「誰がお世話する?」だけではなく、「家族としてどうお世話を続けていく?」
まで考えておくことが大切です。
今回は、犬や猫のお世話を家族で無理なく続けるための役割分担について考えてみましょう。
ペットのお世話には、思っている以上にいろいろある
犬や猫のお世話というと、
「ごはんをあげる」
「散歩へ連れていく」
「トイレをきれいにする」
などが真っ先に思い浮かぶかもしれません。
でも実際に一緒に暮らしてみると、それ以外にもたくさんあります。
毎日のお世話
たとえば、
- ごはんを用意する
- 水を交換する
- トイレを掃除する
- 犬なら散歩へ行く
- 遊ぶ・コミュニケーションを取る
- 体調や食欲、排泄の様子を見る
など。
さらに毎日ではなくても、
- ブラッシング
- 爪や被毛などのお手入れ
- トイレや食器、ベッドなどの清掃
- フードやトイレ用品などの補充
- 動物病院への通院
- 予防や健康管理
- ペットにかかる費用の管理
などもあります。
こうして並べてみると、
「ごはんと散歩だけ」ではない
ことが分かります。
まずは、自分たちの家ではどんなお世話が必要になるのか、一度書き出してみるのがおすすめです。
「担当」を決めるなら、「できない日の代役」も決めておく
役割分担をするとき、
「朝の散歩はパパ」
「夜の散歩は子ども」
「ごはんはママ」
などと担当を決める家庭もあるでしょう。
それ自体は、とても分かりやすい方法です。
でも、人間の生活は毎日同じではありません。
残業で帰りが遅くなる日もあれば、学校行事や部活がある日もあります。
体調を崩すことだってあります。
だから担当を決めるときは、
「その人ができない日は誰が代わる?」
まで決めておくと安心です。
たとえば、
朝の散歩:パパ → 難しい日はママ
というように、メイン担当とサブ担当を作っておくのもひとつの方法です。
犬や猫にとって必要なお世話は、
「今日は担当者が忙しいからお休み!」
とはいきません。
誰かができないとき、自然にほかの家族がカバーできる仕組みを作っておきましょう。
「ちゃんとお世話するから!」を飼う条件にしすぎない
さて。
ここで例の、
「絶対お世話するから犬(猫)飼って!」問題です🤣
子どもが犬や猫と暮らしたいと思い、自分からお世話をしたいと言う。
その気持ちはもちろん大切にしたいものです。
実際にごはんを用意したり、一緒に遊んだりする経験は、動物との関わり方を学ぶ機会にもなるでしょう。
でも、
「子どもがお世話すると約束したから飼う」
という前提だけで迎えるのは、少し慎重に考えたいところです。
子どもの生活はこれからどんどん変わる
犬や猫との暮らしは長く続きます。
一方、子どもはその間にどんどん成長します。
小学生だった子が中学生になり、
部活動を始めるかもしれません。
受験があるかもしれません。
高校生、大学生になれば、帰宅時間も変わるでしょう。
進学や就職で家を離れる可能性だってあります。
そしてもちろん、
最初は夢中だったペットのお世話への興味が、だんだん薄れてしまうこともあります。
そこで、
「約束したんだから最後まで全部やりなさい!」
だけでは、うまくいかないこともあるでしょう。
犬や猫を迎える前に大人が考えておきたいのは、
もし子どもがお世話をしなくなっても、大人が最後までこの子をお世話できるだろうか?
ということです。
答えが「YES」であって初めて、安心して家族として迎えられるのではないでしょうか。
そして、なぜかママに一番懐く🤣
子どもが、
「私が飼いたい!」
と言って迎えたはずなのに。
いつの間にか、
ごはんを用意するのはママ。
トイレをきれいにするのもママ。
散歩へ行くのもママ。
体調がおかしくないか気にするのもママ。
そして――
犬や猫が一番ママのそばにいる🤣
「いやいや、あなたを飼いたいって言ったの私じゃないんですけど!?」
と言いたくなるかもしれません。
もちろん、犬や猫が誰になつくかは、性格や相性、接し方などさまざまな要因が関わるので、「一番お世話した人に必ず一番なつく」とは限りません。
それでも毎日のお世話や穏やかな関わりを通して、犬や猫と家族それぞれの間に少しずつ関係が作られていきます。
だからこそ、
お世話も一人に集中させず、家族みんながその子と関わる機会を作る
という意味でも、役割分担は大切です。
子どもに任せるお世話は、年齢に合わせて考える
では、子どもにはお世話をさせない方がいいのでしょうか。
もちろん、そんなことはありません。
大切なのは、
子どもの年齢やできることに合わせること。
たとえば小さな子なら、大人と一緒に水を用意する。
少し大きくなったら、ごはんを量る。
ブラッシングを手伝う。
一緒に遊ぶ。
さらに成長したら、大人と一緒に犬の散歩へ行く。
というように、できることを少しずつ増やしていく方法もあります。
ただし、犬の大きさや性格によっては、子どもだけで散歩させることが安全ではない場合もあります。
また、薬を与えることや体調の判断、動物病院への受診など、大人が責任を持って行うべきこともあります。
「子どもの担当だから全部任せる」ではなく、
大人が見守りながら、一緒にお世話する。
くらいから始めてもいいでしょう。
「見えないお世話」も忘れずに
毎日のごはんや散歩は目につきやすいですが、ペットとの暮らしには目立たない仕事もたくさんあります。
「そろそろフードがなくなるから注文しよう」
「ワクチンや健康診断の時期だった」
「最近少し食欲が落ちている気がする」
「爪が伸びてきたな」
「トイレ砂を買っておかなきゃ」
こうしたことに気づいて、考えて、準備することもお世話のひとつです。
そして、この「見えないお世話」が一人に集中すると、意外と負担になります。
たとえば、
パパは散歩。
子どもはごはん。
ママは……
それ以外全部。
……だったら、あまり分担になっていません🤣
最近よく聞く「見えない家事」問題と一緒ですね。
毎日の作業だけでなく、
「誰がペットの暮らし全体を管理している?」
というところまで一度家族で確認してみるといいでしょう。
家族の生活が変わったら、役割分担も変えていい
一度決めた役割を、何年も守り続ける必要はありません。
子どもが中学生になって部活が忙しくなった。
パパの勤務時間が変わった。
ママが仕事を始めた。
家族の誰かが体調を崩した。
そんなときは、
今の暮らしに合わせて担当を組み直せばいいのです。
そして変わるのは、人間側だけではありません。
犬や猫も年齢を重ねます。
若いころは必要なかったお世話が、シニアになると必要になることもあります。
通院が増えたり、
薬が必要になったり、
トイレのサポートが必要になったり、
介護が必要になったりすることもあります。
そんなときにも、
「昔決めた担当だから」
ではなく、今できる人たちで改めて役割を考えていきましょう。
🌿 関連記事:犬や猫にも老いがくる。シニアになると暮らしはどう変わる?
一人に負担が集中しているなら、家族会議をしてみよう
もし今、
「気づいたら私ばっかりお世話してる……」
となっているなら、一度家族で話してみてもいいかもしれません。
そのとき、
「誰も何もやってくれない!」
だけで終わらせるより、
今どんなお世話があって、誰が何をしているのか
を一度見えるようにしてみると分かりやすくなります。
紙に書き出してもいいですし、家族の共有カレンダーなどを使ってもいいでしょう。
たとえば、
| お世話 | メイン担当 | できない日の担当 |
|---|---|---|
| 朝のごはん | ママ | パパ |
| 朝の散歩 | パパ | ママ |
| 夜のごはん | 子ども | ママ |
| 夜の散歩 | 子ども | パパ |
| トイレ掃除 | 子ども | ママ |
| フード・用品の購入 | ママ | パパ |
| 通院・健康管理 | パパ・ママ | ― |
こんな簡単なものでも十分です。
実際に書き出してみると、
「あれ?ママ多くない?🤣」
なんてことにも気づけます。
大切なのは、きれいに均等に分けることではありません。
仕事や学校、得意・不得意もありますから、全員が同じ量を担当する必要はないでしょう。
家族の誰か一人だけが無理をし続けないこと。
そして何より、
犬や猫に必要なお世話がきちんと続くこと。
そこを基準に考えてみましょう。
ペットは「誰か一人の担当」ではなく、家族で迎えた命
「犬を飼いたい!」
「猫を飼いたい!」
最初にそう言ったのは、家族の中の一人だったかもしれません。
でも一度迎えたら、その子との暮らしは何年も続いていきます。
その間には、家族の生活も変わります。
犬や猫自身も年を取ります。
だから、
「飼いたいと言った人が全部やる」
ではなく、
「家族として迎えたなら、家族としてどう支えていくか」
を考えることが大切なのではないでしょうか。
お世話を通して犬や猫と関わることは、負担だけではありません。
ごはんを待っている顔。
散歩へ行こうと誘ってくる姿。
トイレを掃除している横から邪魔しに来る猫。
そして、なぜか忙しいときに限って膝の上に乗ってくる猫。
そんな毎日の積み重ねも、ペットと暮らす楽しさのひとつです。
まとめ|「誰がやる?」ではなく「どうすれば家族で続けられる?」
ペットのお世話を家族で分担するとき、大切なのは完璧な当番表を作ることではありません。
誰が何を担当するのか。
できない日は誰が代わるのか。
子どもには何を任せるのか。
通院や用品の管理は誰がするのか。
そして家族の生活が変わったら、どう見直すのか。
最初から少し話し合っておくだけでも、一人に負担が集中するのを防ぎやすくなります。
そして子どもの、
「絶対ちゃんとお世話するから!」
という言葉は、その気持ちを大切にしながらも――
大人は心の片隅で、
「最終的に私がお世話することになっても、この子を最後まで家族として暮らしていけるかな?」
と考えておく。
それくらいが、ちょうどいいのかもしれません。
犬や猫との暮らしは長いものです。
最初に決めた役割にこだわらず、
そのときの家族と、そのときの犬や猫に合った形へ変えながら、一緒に暮らしていきましょう。
