犬との暮らしと聞いて、多くの人が思い浮かべるもののひとつが「毎日の散歩」ではないでしょうか。
でも、実際に犬と暮らし始めると、
「1日何回くらい行けばいいの?」
「何分くらい歩けばいい?」
「小さい犬なら、家の中で運動するだけでも十分なのでは?」
など、意外と分からないことも多いものです。
犬の散歩に必要な時間や距離は、すべての犬に共通しているわけではありません。
犬種や体格だけでなく、年齢や性格、体調、その日の気温などによっても変わります。
今回は、犬との毎日に欠かせない「散歩」について、無理なく続けるための考え方をご紹介します。
犬にとって散歩は「運動」だけじゃない
犬の散歩というと、まず「運動不足を解消するため」と考える人も多いと思います。
もちろん、それも大切な目的のひとつ。
でも犬にとって散歩は、ただ歩いて体を動かすだけの時間ではありません。
外には、家の中にはない匂いや音、風、草木、人やほかの犬の気配など、さまざまな刺激があります。
地面の匂いを嗅いだり、立ち止まって周囲を眺めたり。
人間から見ると「全然進んでないけど……」と思う時間も、犬にとっては外の世界を感じる大切な時間です。
飼い主と一緒に外へ出ることそのものが、気分転換になることもあります。
だから散歩では、
「何km歩いたか」だけではなく、「犬が外の時間を楽しめているか」
という視点も大切にしたいところです。
犬の散歩は1日何回くらい?
散歩の回数についても、「すべての犬は必ず1日○回」と一律に決められるものではありません。
一般的には朝と夕方など、1日2回程度散歩する家庭も多いですが、必要な運動量は犬によって違います。
活発で運動量の多い犬もいれば、短い散歩でも満足する犬もいます。
また、若い頃はたくさん歩いていた犬でも、年齢を重ねれば少しずつペースが変わってくるでしょう。
大切なのは、回数だけを守ることよりも、
- 散歩から帰ってもまだ元気が有り余っている
- 散歩中に疲れて歩きたがらなくなる
- 帰宅するとぐったりしてしまう
- 外へ出ることをとても楽しみにしている
など、その子の様子を見ること。
「うちの子にはどのくらいがちょうどいい?」
という基準を少しずつ見つけていきましょう。
散歩時間や距離はどのくらいがいい?
散歩時間について調べると、
「小型犬なら○分」
「大型犬なら○分」
「○km歩きましょう」
など、いろいろな目安が出てきます。
もちろん参考にはなりますが、それだけで散歩量を決めてしまう必要はありません。
同じ犬種でも、活発な子もいればのんびりした子もいます。
さらに、年齢や体調によっても必要な運動量は変化します。
散歩の途中で何度も座り込む、呼吸が激しくなる、歩きたがらなくなるなどの様子があれば、無理をさせないことも大切です。
反対に、散歩が終わってもまだまだ遊びたそうなら、その子にはもう少し運動や遊びが必要なのかもしれません。
時間や距離は「絶対に守る数字」ではなく、その子に合った散歩を考えるための目安。
そう考えると分かりやすいでしょう。
チワワなどの小型犬にも散歩は必要?
ここで、こんな疑問を持つ人もいるかもしれません。
「チワワみたいな小さな犬なら、家の中を歩くだけでも結構な運動になるんじゃない?」
確かに、小型犬と大型犬では必要な運動量が違います。
室内で遊ぶことも立派な運動になります。
だからといって、
「小型犬=散歩をしなくてもいい」
とは限りません。
先ほどお話ししたように、散歩には運動以外にも、外の匂いや音などに触れるという役割があります。
小さな犬にとっても、
「今日はこんな匂いがする」
「ここに別の犬が来たみたい」
「風が気持ちいいな」
そんな外の刺激に触れる時間になります。
たくさん歩かせることだけを目的にせず、その子に無理のない範囲で外の世界を楽しませると考えるといいでしょう。
小型犬なら「抱っこでお散歩」でもいい?
小さな犬を、飼い主さんが抱っこしたり、専用のバッグに入れたりして歩いている姿を見かけることがあります。
「歩かないなら、散歩にならないのでは?」
と思うかもしれません。
でも、体力の少ない犬やシニア犬などの場合、抱っこで外に出ることでも、家の中とは違う刺激に触れることができます。
ただ、元気に歩ける犬なら、ずっと抱っこのままにする必要もありません。
安全に歩ける場所では自分の足で歩いたり、匂いを嗅いだりする時間を作り、
疲れてきたら抱っこする。
そんな使い分けもできます。
抱っこバッグがあると便利な場面も
小型犬との外出では、犬用の抱っこバッグやスリングなどが役立つこともあります。
たとえば、
- 散歩の途中で疲れてしまった
- シニアになって長距離を歩くのが難しくなった
- 人や車が多い場所を安全に移動したい
- 外の空気には触れさせたいけれど、長時間歩かせるのは心配
- お出かけ先で犬を休ませながら移動したい
といったときです。
抱っこバッグは、「散歩をしなくて済むためのもの」ではなく、犬との散歩や外出をサポートしてくれるアイテムのひとつとして考えるとよさそうです。
「途中で疲れたときに抱っこへ切り替えたい」「できるだけ飼い主さんにも犬にも負担の少ないものを選びたい」という場合は、犬用の抱っこ紐を取り入れる方法もあります。
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子犬の散歩は少しずつ慣らしていこう
子犬を迎えると、
「早く一緒に散歩したい!」
と思う人も多いでしょう。
でも、迎えてすぐに長時間の散歩を始めるのではなく、その子の成長や健康状態を見ながら少しずつ外の環境に慣らしていくことが大切です。
特に子犬の場合は、ワクチン接種の状況などによって外へ出す時期について注意が必要なことがあります。
散歩を始める時期について迷った場合は、自己判断せず、かかりつけの獣医師に確認しておくと安心です。
最初から長い距離を歩く必要はありません。
外の音を聞いたり、家の周りを少し歩いたり。
「外って楽しいところなんだ」
と少しずつ覚えてもらうところから始めていきましょう。
シニア犬は「若い頃と同じ」にこだわらない
若い頃には元気いっぱいに歩いていた犬も、年齢を重ねれば少しずつ体力が落ちていきます。
歩くスピードが遅くなった。
以前より短い距離で疲れるようになった。
立ち止まることが増えた。
そんな変化が出てくることもあります。
だからといって、すぐに「もう散歩はやめよう」と考える必要はありません。
体調に問題がなければ、距離を短くしたり、ゆっくり歩いたり、必要に応じて抱っこを取り入れたりしながら外の時間を楽しむ方法もあります。
また、散歩の仕方だけでなく、毎日身につけるハーネスを見直してみるのもひとつです。
年齢とともに首まわりや体への負担が気になってきたら、できるだけ負担に配慮されたハーネスを選んであげたいところですね。
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若い頃の散歩と比べるのではなく、
「今のこの子にちょうどいい散歩」
へ変えていくことが大切です。
🐾 関連記事:犬や猫にも老いがくる。シニアになると暮らしはどう変わる?
暑い日・寒い日の散歩にも注意しよう
犬の散歩では、時間や距離だけでなく天候や気温にも注意が必要です。
特に暑い季節は、人間が感じている気温だけで判断しないようにしましょう。
犬は人間より地面に近いところを歩くため、熱くなったアスファルトの影響を受けやすくなります。
真夏の日中など、地面が熱くなっている時間帯の散歩は避ける必要があります。
また、寒さへの強さも犬種や体格、年齢などによって違います。
「毎日この時間に行く」と決めすぎず、その日の天候や犬の様子を見ながら時間をずらしたり、散歩を短くしたりする柔軟さも大切です。
散歩に持っていきたいものと、ちょっとしたマナー
散歩に出かけるときは、リードだけではなく、いくつか用意しておきたいものがあります。
たとえば、
- うんちを持ち帰るための袋
- おしっこを流すための水
- 必要に応じて飲み水や携帯用の水入れ
- 夜ならライトや反射グッズ
など。
特に排泄物の処理は、犬と暮らすうえで大切な散歩マナーのひとつです。
とはいえ、毎日のことだからこそ、
「できればもう少しラクに処理できたらいいのにな……」
と思うこともありますよね。
最近は、散歩中のうんちを直接手でつかまずに処理できる、フンキャッチャーのような便利グッズもあります。
散歩中の「うちの子の気持ち」を周りに伝える方法も
そして散歩中は、知らない人やほかの犬と出会うこともあります。
人が大好きな犬もいれば、
「知らない人に触られるのは苦手」
「ほかの犬がちょっと怖い」
という子もいます。
そんなとき、飼い主さんが毎回説明しなくても、愛犬の性格や気持ちを周囲に伝えられるメッセージワッペンのようなグッズを利用する方法もあります。
「さわらないでね」「怖がりです」「仲良くしてね」など、その子に合ったメッセージを身につけておけば、散歩中のコミュニケーションにも役立ちます。
犬のお散歩のトラブル防止!
「こわがりです」などワッペンをリードにつけて言わなくても目で伝える【【犬のお散歩メッセージワッペン】
散歩は「ノルマ」にしなくていい
犬と暮らしていると、
「今日は○分しか散歩できなかった」
「いつもの距離を歩けなかった」
と気になってしまうこともあるかもしれません。
でも、大切なのは毎日まったく同じ散歩をすることではありません。
犬の体調も違えば、天気も違います。
飼い主にも忙しい日はあります。
短めの散歩になった日は、家の中で一緒に遊ぶ。
いつものコースに飽きてきたようなら、少し違う道を歩いてみる。
ゆっくり匂いを嗅ぎたそうなら、急かさず少し待ってみる。
そんなふうに、その日の状況に合わせながら続けていけばいいのではないでしょうか。
まとめ|「何分・何km」より、その子に合った散歩を
犬の散歩に必要な時間や頻度、距離には目安がありますが、すべての犬に同じ正解があるわけではありません。
犬種や体格、年齢、性格、健康状態によって、ちょうどいい散歩量は変わります。
そして散歩は、単なる運動の時間でもありません。
外の匂いを嗅いだり、風を感じたり、飼い主と一緒に歩いたり。
犬にとって、毎日の暮らしの中にある小さな楽しみでもあります。
小型犬なら短めに。
シニアになったらゆっくりと。
必要なら抱っこも取り入れる。
「一般的にはこうだから」ではなく、目の前のその子を見ながら散歩の形を変えていく。
そんな付き合い方なら、犬にとっても飼い主にとっても、散歩の時間が無理なく続けられる楽しい習慣になっていくのではないでしょうか。🐕🌿
